【自身】「私は私!」という絶望
自分は自分。他の誰でもない。だから誇らしい。
現実でも、フィクションでもよく聞く言葉。
SMAPの歌を引き合いに出すまでもなく、私は幼い頃からそういう言葉を日常的に聞いてきた。
しかし、これは恐ろしい事実だ。
私には憧れる人がたくさんいた。今もいる。
現実でもいるし、フィクションの世界ならそれこそ数え切れないくらいいる。
そんな人のようになりたいと思って生きてきた。
なれなかった。
努力が足りないとか、覚悟が足りないからとか、理由はあると思う。
しかし、一番の理由は上記にある「私は私」だからだ。
私は私が嫌いだ。
だから、努力して他の誰か、憧れの誰かになろうとした。
でも、なれなかった。「私は私」だからだ。
「あなたはあなた」というのは、
どんなに容姿が優れなくて、頭が悪くて、臆病で、情けなくて、弱くて、誇らしいとこなどなくて、甘えてばかりで好きになれない自分だったとしても、それで生きていけ、
お前はお前の憧れる人たちのように、は絶対になれない、
ということだった。
励ましや褒め言葉でなく、ただ事実を言っているだけだったのだ。
できる限り早く、それを受け入れるのが当面の目標だ。
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誰もが最後は弱り、人の手を借りずには生きられなくなる。
そうなったとき、現実を受け止められるか。
受け止められる人こそが、「私」という事実を受け入れられた人なのかもしれない。
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